年齢を重ねると「髪が変わる」?
40代、50代の女性の大きな悩みの一つである「髪の毛」。
・若いころと同じ髪型のはずなのに、なんだか以前とは違う
・年々、髪型が決まらなくなってきている気がする
・以前とは髪の質が変わってきた
そんなふうに感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
肌と同じく、髪の毛は加齢とともに変化します。
いくら髪型を変えてみたところで、髪の毛自体の年齢による「老化」を放置していたら、思うようなスタイルにはなりません。
自分の髪の毛にどんな変化が起きているかを知ることで、年齢にあった必要な手入れを行ったり、自分の年齢・髪の状態に合わせた髪型を選んだりすることができるようになります。本記事では、髪の毛に悩む女性たちにまず知ってほしい、加齢による髪の変化について、そして40代・50代の女性に必要な髪の毛のエイジングケアについて、わかりやすく解説します。
まずは自分の髪の毛の変化を知ろう
加齢によって生じる、さまざまな髪の毛の変化。まずは、その主なものをみていきましょう。
加齢による変化その1:つやがなくなる
40代、50代になると、若いころに比べて、髪の毛の「つや」がなくなってきます。美容院で使うトリートメントやシャンプーなどを販売しているヘア化粧品会社「株式会社ミルボン」は、髪のつやは、毛髪内の脂質により影響を受け、その毛髪内の脂質をつくる成分は加齢とともに変化するという研究内容を発表しました。
ミルボンによると、加齢に伴って髪の毛の中にある不飽和脂肪酸という成分の⽐率が低下し、⽑髪が動きにくくなり⽑流れが揃わなくなることで、ツヤの低下が起きると考えらるということです(参照:株式会社ミルボン「⽑髪のツヤに⽑髪内脂質が関与することを発⾒」)。
加齢による変化その2:毛量が減る
女性の薄毛の原因にはさまざまなものがありますが、加齢もその一つです。
加齢に伴う薄毛は女性ホルモンの減少が主な原因で、女性は頭頂部の比較的広い範囲の頭髪が薄くなり、更年期に症状が出てくるケースが多いようです(参照:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」)。
また、髪の毛の量だけではなく、1本1本の髪の毛が若いころよりも細くなることで、よりいっそう毛量が減ったようにみえてしまう、ということもあります。
男性だけでではなく女性にとっても、薄毛は加齢とともに増える深刻な悩みといえるでしょう。
加齢による変化その3:白髪が増える
加齢による髪の変化の代表ともいえる白髪。
白髪の原因には、加齢のほかにもストレスや遺伝などいろいろなものがあると考えられていますが、なぜ年を取ると白髪が増えるのか、はっきりとしたメカニズムは実のところよくわかっていないと言われています。
10代、20代から白髪に悩む人がいる一方で、年齢を重ねても白髪にならずに黒々とした髪の毛を維持している方もいます。もしかしたら、メカニズムが解明されたら、白髪を完全に防ぐ方法なども出てくるかもしれませんね。
白髪で気を付けたいのは、「白髪染め」による髪の傷み。最近は極力髪を傷めないカラーリングも増えていますが、白髪を気にするあまり、頻繁にカラーリングをすることでダメージを受けてしまわないかも気になるところです。
加齢による変化その4:髪がうねる
年齢とともに、髪のクセが強くなった、うねり毛が増えたと感じることはありませんか?
髪の毛の内部には複数の種類の「コルテックス細胞」という細胞があり、この細胞の分布が偏るなどすることで、髪の毛がうねったりクセがでたりするそうです。
この偏りは、髪の毛がダメージをうけたり年齢を重ねたりすることで大きくなりますが、どうして加齢によって偏りがでてしまうのか、これもはっきりはわかっていません(参照:花王「髪のくせ」)。
40代・50代女性必要な髪のエイジングケアとは
このように、加齢によって生じるさまざまな髪の毛の変化。
それでは、少しでも若々しい頭髪を保つために、どのようなケアが必要になるのでしょうか。
当然ですが、「これをやればずっと20代のころの髪の毛でいられる」などという魔法の方法はありません。しかし、まったくケアをしない人と一つ一つのケアを行う人とでは、天と地ほどの差が出てきます。
若いころは、それほど手間ひまをかけてケアをしなくても、ある程度つやのある美しい髪の毛を自然と維持することが可能です。どちらかというと、ケアの差よりも生まれつきの違いの方が髪の毛の見た目を左右していたかもしれません。
しかし、40代・50代ともなると、ケアの頻度や質の差による見た目の違いは歴然としています。何もしなければ、恐ろしいほどのおばさん髪に。少しでも美しい髪の毛を保ちたい人は、できることから少しずつ始めていきましょう。
自宅でのトリートメントを見直す
まず、すぐに変化を実感できる方法としておすすめなのが、トリートメントです。
ほとんどの方が自宅でも美容院でもトリートメントをしていると思いますが、自宅のお風呂でしているトリートメントについては
■頻度
■品質
■方法
この3つを見直すだけでも、大きく異なってきます。
まず頻度ですが、どのようなトリートメントを使っているかにもよりますが、一般的な自宅用の市販のトリートメントであれば、できれば毎日がおすすめです。
品質は、その人の髪の状態にもよるため一概には言えませんが、週に1回程度、サロン専売などの高品質なものをスペシャルケアとして使うと効果が高いと言われています。
ここで注意したいのが、特に高品質なトリートメントの場合、余計な油分が髪に残るなど、ものによっては毎日使うことで逆に髪を傷めるになってしまうということ。「週に1回程度」「3日1回」など、商品によっておすすめの使用頻度があるので、それを守って使うようにしましょう。
最後に方法ですが、せっかく時間を使ってトリートメントするなら、より効果を高めるやり方を。
・水気をしっかりとってからつける
・つける前にコーミングをして毛流れを整える
・つけてから洗い流すまでしばらく時間を置く
など、ひと手間かけるだけでトリートメント効果が高まると言われています。
また、時間があるときはタオル蒸しなどをしてより髪に浸透させるのもおすすめです。
美容院でのトリートメントのランクを上げてみる
月に1回程度、美容院でスペシャルケアとして行うトリートメント。美容院でトリートメントをすると、より高い効果を実感するという方も多いのではないでしょうか。
髪のケアに力を入れている美容院では、多くの場合トリートメントにも複数の種類を用意しています。
より効果があるものは時間がかかり、料金も高い場合がほとんどですが、月に1回のぜいたくとして、余裕があるときは試してみるのも良いでしょう。
また、ボリュームアップ、髪のパサつき防止、頭皮のケアなど、目的別にさまざまなトリートメントを用意している美容院もあります。
美容師さんに相談して、自身にあったものを選びましょう。
ドライヤーやヘアアイロンを買い替える
意外と見落としがちなのが、毎日使うドライヤーやヘアアイロン。
使用頻度にもよって異なりますが、部品の劣化などにより3~4年が買い替え時期と言われています。
ドライヤーの場合は
・発熱する
・焦げ臭いにおいがする
・風量が弱まる
アイロンの場合は
・すべりが悪くなる
・髪を挟む部分のコーティングが剥がれる
などが買い替え時期のサイン。
本来の機能が寿命によって損なわれ、使い続けると髪を傷める原因にもなってしまいます。
頭皮マッサージをする
トリートメントや機器の買い替えと合わせて行いたいのが、頭皮マッサージ。
頭皮マッサージによって血流が良くなり、健康な髪の毛の成長につながります。花王の調査によると、「長期間繰り返し行うことで持続的な血流増加と頭皮状態の変化が期待」できるとされています。
手でも十分に可能ですが、より効果を上げたい方は、頭皮マッサージ専用の機器もおすすめ。手軽にしっかりとしたマッサージができるだけではなく、自分にあった商品が見つかれば、気持ちがよく、スッキリする、リラックスする、などの効果も得ることができます。
まとめ
年を重ねるとともに変化する、女性の髪質。髪の毛が「老化」した状態だと、髪型をいくら変えても、思い通りのスタイルにはなりません。年齢に応じた適切なケアを行い、健康で若々しい髪の毛を保ちましょう。